わがまま姫♀



「観念したんじゃない?」

「…なに」

「え?」



震える口を噛みしめ、やっとのことで声が出た。



「なにが目的なのよ」

「目的?そんなの決まってるじゃない」



いや、決まってはないと思う。(←こんな時まで)



「アンタと流くんの婚約を、阻止するのよ」

「はあ?」

「まずはアンタを使って、流くんをここに呼ぶ」



やっぱりくだらない。



なにその作戦。



アイツがくるとでも思ってんの?」

「なによ?」

「アイツは…あたしの為になんか来ないよ」



アイツが来るとは思えない。



あたしなんかのために、自ら面倒ごとに首を突っ込むはずがない。



「そんなに信じてないなら、自分の目で確かめなさいよ!」



そう言って、あたしの目隠しを外された。



「来ないって言ってんじゃん!あんた達はいったい誰なのよ!?」

「名乗り遅れたわ。あたしは椎野悠花(しいのゆうか)」



……シイノ?



……しいの?!



椎野!!




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