わがまま姫♀
もしあたしが殴られていたら、あたしはどうなってたんだろう。
「退学くらいで済ましてやるからさ」
流は今、どれほど痛みをこらえているのだろう。
「……なんでよ」
「………」
「なんでなの!?流くんはそんな人じゃなかったでしょ?!」
………?
「女なんかに、本気になったことなんてなかったくせに…!」
いや、今も女には本気にはなってないでしょ。
守ろうとするのも、桃井財閥との政略があるから。
あくまで、会社の為だと思うけど。
「こんな流くん知らない…!」
そう言い捨てると、バタバタと音を立てて、教室から出ていった。
後に続く足音も出ていき、だんだん小さくなっていった。
ってことは、今は2人っきりかな。
いきなりだ。
「…おい」
「あ…ハイ」
「お前、あのまま殴られてたらどうすんだよ」