わがまま姫♀
正直、後先考えてなかった。
明らかに怒ってる流の声に、体を縮める。
「なんとか誤魔化せるかなぁって」
「アホか」
「…ですよね」
今回ばかりは、おっしゃる通りです。
「あの、流は?!大丈夫なの!?ちょっとこれ取ってよ!」
“これ”というのが、さっきからつけられてる目隠し。
「早く取ってよ!」
「…ちょっと黙れよ」
「は?」
は?
はぁ?!
意味不明だ。
「いや、訳わかんない!」
「黙れって言ったんだよ」
「はぁ!?なんなのさっきから!こっちが目見えないからって調子に…」
「だから黙れって」
「んぅ…!?」
まただ。
また、塞がれた。
喋ってる途中なのに。
「……んんぅ…!」
また熱い。
触れた唇が熱い。
なにも考えられなくなる。