わがまま姫♀



「…危な」



流がボソッとなにか呟いた。



「え?」

「…んでもねーよ」

「あっそ」

「…なんだよ」

「べ、別に!」



こっちが聞きたいんですけど!!



「もう、早く取ってよ」


目隠ししてて、抵抗できないあたしにキスするなんて、セクハラじゃない?!



「…はいはい」



ふぅー…。



薄暗い教室でも、眩しく感じてしまう。



「…ねぇ、椎野悠花って流と知り合いなの?」

「あぁ。同じ中学だったから」

「ふーん、なるほど」



なんだ。



元カノかと思った。



「付き合ってたわけねーだろ」

「な、なんで?!」

「お前の考えなんて、お見通しなんだよ」



す、スゴイっ!!



「相変わらず嘘がお下手で」

「う、うるさいな…!」



こんの意地の悪い顔!



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