わがまま姫♀
「でもー…」
「いいなーいいなー。あたしも牧原さんと婚約したいよぅ」
声、大きいぞ!?
あたしと流をくっつけたくて仕方ない遥。
あたしの話しなんて、聞こうともしない。
…ってなわけで。
遥に相談した結果。
「なにががなんでも流を振り向かせて、結婚までこぎつけんのよ!」
だ、そうです…。
本当に大丈夫か?!
振り向かせるって言われても、なにをどうやって!?
なにしろあたし、恋愛超ド素人です…。
生まれてこのかた、恋なんて無縁の人生。
今時、小学生でも知ってるのにね。
「でも姫央が羨ましいよ」
「え、なんで?」
「両思い間近だもん!」
は!?
「あたしなんて、牧原さんに顔さえ覚えられて無いかも…だし」
「そ、そんなことはないでしょ?!」
「…よし。行くよ姫央!」