わがまま姫♀



あざまでつくって、あたしを守ってくれたのに。



痛くないわけがないんだ。



だんだんと目の奥がジーンと熱くなった。



今までお礼なんて、相手によく思われたいから言う、ただの愛想に過ぎないって。



ずっとずっと、そう思ってた。



だけど、違うよね。



少しだけ分かった気がするよ。



今はただ無性に、ありがとうを言いたいって思うから。



「……っ…」

「なんで泣くんだよ」



こんな傷、あたしにつければいい。



代われるものなら、あたしが代わりたい。



「……ありがとう」



震える声を振り絞って、そう言った。



「………」



反応のない流をそーっと見てみると、ビックリした顔のまま固まっていた。



「な、なに?!そんな驚くことなの?!」

「……いや」



そりゃ、たしかに。



今までありがとうなんて、滅多に言わなかったもんね。



それは分かるけども。



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