わがまま姫♀
やや赤い顔を隠すように、流は立ち上がって、あたしに背中を向ける。
「…ほら、飲み物買いに行くぞ」
そう言って、1人で先に歩いていってしまう。
「あ、うん!」
まぁ、あたしの顔は“やや”なんてもんじゃないくらい、真っ赤だったけどさ。
文句あんの?
急いでプールから上がり、流を追いかける。
──“気分いいわけねーだろ”──
だってさ。
喜んでも、いいのかなぁ?
わかんないけど、なんか嬉しいんだ。
「…なに笑ってんだ。気味悪るい」
「うっさい♪」
「…気持ち悪)」
なんか、なんかなんか。
なんだかんだ言ってあたし達って、結構順調だったりすると思うんだ。
「姫央ぉ~!遅かったじゃない。もう、頼んでないわよ(恥)!」
遥のところへ戻ると、いきなり背中を叩かれた。
「…なんのこと?」