わがまま姫♀



ただ姫央に、傷をつけたくなかった。



ただ姫央に、痛い思いをさせたくなかった。



それだけで、アザつくってまで、守らないといけない気がした。



……なんで。



なんでだよ。



俺、ネジはずれすぎじゃねーのか?



そんな俺に、椎野悠花は言った。



「昔の流くんは、そんなんじゃなかったでしょ」



そうだよ。



俺は、女のためにアザをつくったことなんて、一度だってねーよ。



おかしいんだよ。



最近の俺は。



そんなの俺が1番驚いてる。



姫央と2人っきりになったかと思えば、またまた俺は壊れた。



コントロールがきかない。



無性に触れたくなる。



その後の反応が見たくて。



俺は大丈夫だろうか。



いったいネジがいくつ取れたんだよ。



アザが見つかってしまった時なんて、姫央は震える声で、「ありがとう」って確かに言った。



< 174 / 566 >

この作品をシェア

pagetop