わがまま姫♀



「…あ、あの」

「…なに」



あぁ、そういえば、着替えるんだった。



「あたし、着替えたいんだけど」

「…だから?」



なんでコイツ、顔赤いんだよ。



「だ…だから、アンタがいたら着替えられないっつーの!」

「…出てろって?」



“ガチャン”



ドアを閉めて、壁にもたれかかる。



……俺最近ホント、余裕ねーんだな。



「着替えるから部屋出て」、とまで言わせてる始末だ。



「はぁ…」



自然と重たい溜め息が出た。



俺は壊れていっている。



もう、修理に出しても手遅れなんだろうな。(←どこへ)



重いため息を吐き出した後、加藤が俺に話し掛けてきた。



「王子様が溜め息なんてついてる~」

「(ただの)王子じゃねーよ。(白馬の王子だよ)」

「なにしてんの?」

「…アイツが着替えてる」

「あぁ、なるほどね」



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