わがまま姫♀
いろいろ見透かされてそうで、加藤は苦手だ。
「姫央さ、絶対似合うよね」
「自分では似合わないって、言ってたけどな」
「あの容姿でなーに言ってんだか~」
そう呟きながら、加藤は教室に戻っていった。
正直、似合わない訳がないと思う。
アイツ、口はあんなだけど、黙ってれば文句なしだ。
………。
まだか?
“コンコン”
「………」
返事がない。
「………」
なんで返事ないんだよ。
「入るぞ」
“ガチャっ”
………。
「っ…!!な、なに勝手に入ってきて…!?」
「…返事しねーからだろ」
「だっ、だからって、いきなり入って来ないでよ!」
いや。
一応声かけたんだけど。
無視したお前が悪いんだろ。