わがまま姫♀
「ちょっと写真撮りたい!」
「いやいや!遥!?」
「いーじゃない、ケチケチしないでよ」
コイツはどうしていつも、こんなにハイテンションなんだ。
俺との温度差が激しいから、間に姫央がいないと、俺まで溶けそうだ。
[よし!絶対、作戦も上手くいくわ]
「「え?」」
加藤がボソッと呟いた。
なにを言ったのかは聞き取れなかったが。
「なんでもない!練習するから、それ脱いで教室にきてね」
そう言うと加藤は、教室を出ていった。
しかしこの時、加藤を中心とするクラスの奴らが動き出していたことを、たちは知るよしもなかった。
“作戦”とやらは、文化祭当日までのお楽しみらしい…。
加藤が呟いていたことを、もっと気に止めておけばよかった。
でも、壊れかけている(崩壊寸前)今の俺に、そんな余裕あるはずがないけどな。