わがまま姫♀
「人の顔見るなり「ギャ!」はねーだろ。品のないお嬢様だな」
「なっ…!」
今は強制的にコイツが隣にいるんだったよ…。(←忘れるの早い)
「桃井、とりあえずさっさと読め」
「はいはぃ…」
うるさいのよ。
「ちょっとそれ返し…ってなに勝手に見てんの?!」
田中から今沢に顔を向けると、なんとこの口悪男。
あたしの落とした紙を、ジロジロと上から下まで見ている。
奪い返そうと伸ばした手を、今沢はいとも簡単にかわした。
「もう、早く返して…!」
“バシっ”
「ったぁあ~…!」
「早く読まんかい!」
ゔぅぅ~~っ!!
こんの野郎っ…(涙)
横目で今沢を睨むと、手を口に当てて笑いをこらえている。
「ムカつく…!」
ボソッと言ってから、あたしはP12とやらを読み始めた。