わがまま姫♀



「人の顔見るなり「ギャ!」はねーだろ。品のないお嬢様だな」

「なっ…!」



今は強制的にコイツが隣にいるんだったよ…。(←忘れるの早い)



「桃井、とりあえずさっさと読め」

「はいはぃ…」



うるさいのよ。



「ちょっとそれ返し…ってなに勝手に見てんの?!」



田中から今沢に顔を向けると、なんとこの口悪男。



あたしの落とした紙を、ジロジロと上から下まで見ている。



奪い返そうと伸ばした手を、今沢はいとも簡単にかわした。



「もう、早く返して…!」



“バシっ”



「ったぁあ~…!」

「早く読まんかい!」



ゔぅぅ~~っ!!



こんの野郎っ…(涙)



横目で今沢を睨むと、手を口に当てて笑いをこらえている。



「ムカつく…!」



ボソッと言ってから、あたしはP12とやらを読み始めた。



< 21 / 566 >

この作品をシェア

pagetop