わがまま姫♀



「───である」



お、終わった…!



と同時に、



“キーンコーン…”



田中授業の終わりを知らせるチャイムが鳴る。



さて、紙を取り返そ。



「さっきの紙を返してもらえる?」

「…なにお前、こういう趣味なわけ?」

「は?」



意味が分からない。



趣味…?



ちょ、あたしが落とした紙ってもしかして…?



あたしは今沢から奪い返した紙を見る。



「……あ゙…」

「そんなに知りたいんなら、教えてあげてもいいけど?」



そう、あたしが落としたのは、口悪男のプロヒィールを書いた紙。



「結構です!あんたなんかに興味無いわよっ!」

「じゃ、なんだよそれ」

「そ、それは…!」



あたしが言葉につまると、今沢は「ほらね」と言わんばかりに意地悪く笑った。



こいつ、ほんっとにムカつく野郎だ!



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