わがまま姫♀
「…そうだね」
「じゃ、姫央さんをおかりますね」
「…あぁ」
姫央は8人と共に、俺の横を通りすぎていった。
俺も振り返らず、歩き出す。
……ムカつく。
なにが姫央さんだよ。
姫央さん、姫央さん、うるせっつーんだよ!(←関係ないとこにキレる)
気持ち悪い敬語だし。
あのグループのリーダー的存在な奴。
確かアイツ、津戸尚輝(つとなおき)だった。
奴の笑みが、俺を余計にイラつかせる。
津戸グループ(※勝手に命名)。
しかも最後に見せた、姫央の顔。
「あぁ~もう、なんなんだよ!」
髪をくしゃくしゃ掻き回す。
イライラがおさまらない。
1人トボトボ、津戸の笑みを思い出してはズカズカと、校舎裏に向かった。