わがまま姫♀



「どうした、なんで泣いてんだよ!?」

「ひなだぁ~!アンダ、流に会ったの?!」

「あぁ、うん」

「なんっで、顔まで知ってたのよ…!」



陽向は一瞬キョトンとしたけどすぐに、



「昨日姫央に写真もらったじゃん。(もうないけど)」



呆れたように言った。



……あ。



白馬の王子様姿の流だ。



はぁ…。



今ではもう懐かしいよ。



「何かあったの?」

「…知らない。あたしもう終わった…家帰る…」



あたしは陽向が何か言ったのも耳に入らず、ただ涙だけを流しながら鞄を取りに教室へ行った。



教室はもう、片付けが始まっていて、遥と牧原が話しているのが見えた。



文化祭も終わりだ。



あたしは1人、トボトボと家に帰った。



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