わがまま姫♀



「そ…それ、答える必要あるの?!」

「あるから聞いてんだよ」

「な、なんの為に!?」

「俺だけの為に。それ以外ねーよ」



姫央の顔はどんどん真っ赤になっていく。



そしてようやく観念したのか、俯いていた顔を上げた。



「今、は…」

「………」

「今はもっとたくさん好き」



…………。



………え。



えぇ~~。



さっきまで、あんなに強がって意地張ってたくせに。



…ずりい。



ホントずるいよお前。



涙でぐちゃぐちゃで真っ赤っかの顔が、夕日で余計赤く見えた。



ぐちゃぐちゃでも、真っ赤でも、俺が選んだ奴にはかわりない。



「ちょっと、言わせといてなんで無視す……ひゃっ!」



俺は姫央に近寄り、その体を引き寄せた。



潰れるほどに抱きしめたくて。



無視したんじゃない。



言葉が出てこなかったんだよ。



俺は体を少し離し、触れるだけのキスをした。



それだけで真っ赤になるこのお嬢様。



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