わがまま姫♀
“ドンッ”
「うわぁ…っ?!」
いきなり机がドンと揺れ、あたしは慌てて目を開ける。
なに!?
「お前寝すぎ。脳が溶けるんじゃねーの」
「はぁ?!」
はい、もうお分かり?
声の正体も、机を叩いたのも、今の超ムカつくセリフも、全てコイツ。
「流?!」
「起床時間、11時半。いいねぇ、お嬢様は」
流は意地悪く笑うと、あたしの頭に手をおいた。
「なっ、なによ。そんなこと言いに、わざわざここまで来たの!?」
あたしは、頭の手を払いのけながら流を睨む。
本当は体温急上昇。
「んなわけねーだろ」
「じゃあ、なんの用事?!」
「まぁ、ちょっと来いよ」
そう言った流は、あたしの腕をつかんで歩き出した。