わがまま姫♀



“ドンッ”



「うわぁ…っ?!」



いきなり机がドンと揺れ、あたしは慌てて目を開ける。



なに!?



「お前寝すぎ。脳が溶けるんじゃねーの」

「はぁ?!」



はい、もうお分かり?



声の正体も、机を叩いたのも、今の超ムカつくセリフも、全てコイツ。



「流?!」

「起床時間、11時半。いいねぇ、お嬢様は」



流は意地悪く笑うと、あたしの頭に手をおいた。



「なっ、なによ。そんなこと言いに、わざわざここまで来たの!?」



あたしは、頭の手を払いのけながら流を睨む。



本当は体温急上昇。



「んなわけねーだろ」

「じゃあ、なんの用事?!」

「まぁ、ちょっと来いよ」



そう言った流は、あたしの腕をつかんで歩き出した。



< 265 / 566 >

この作品をシェア

pagetop