わがまま姫♀
何度言われても、言われ慣れない言葉がある。
“可愛くない”
そんなことは自分が一番分かってるから。
それをコイツは、サラりと抜かしやがって。
「可愛くなくていい!」
「…あっそ」
そりゃ、素直じゃないあたしも悪いけどさぁ。
ため息を小さくついて、黒板に目をやる。
…あれ?
「授業は…?!」
そう言えば、先生の姿も見当たらない。
「お前、まだ寝ぼけてんの?」
いいえ。
たぶんあの頭の一発で、完全に目が覚めたかと。
「終わってんだよ」
「うそ…?!」
またやっちゃったよ。
どんだけ寝てんだよあたし。
ヘコムあたしに、見かねた口悪男はフッと鼻で笑って、
「世間知らずのお嬢様でバカとは、救いようがないな」
だってさ(怒)
ムカムカーーっ!!!
「でもお前は、桃井財閥を継がないから、バカでもいいんだろ?」
ムッカムカムカーーっ!!
あたしの怒りのボルテージが、MAXに達した。