わがまま姫♀



「……流…?」

「正解」



そう言うと流は体を離して、お互いの顔が見えるようにする。



流の顔を見ただけなのに安心して、我慢していた涙がスゴい勢いで溢れ出した。



「……っう…流ぇ…」



思わず流に飛び付いた。



「っ!(…自分から抱き着いてくるとは珍しい)」

「……っ…怖い゙~…」

「知ってる」



流はあたしの頭を、小さい子をあやすように優しく撫でた。



それがなんだか心地よくて。



やっぱり、あたしには流だなって思った。



でも、そんなカップルムードをやっぱりぶち壊す奴が。



「姫央さーん!いたら返事をして下さーい!」



その声に、あたしの体がビクッと反応した。



「よし、逃げるぞ」

「わっ!?」



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