わがまま姫♀
“キーンコーン…”
チャイムの音が校内に響き渡る放課後。
「姫央~~傘入れて!!」
「…え?雨降ってんの!?」
チャイムの音が消えたと同時に、遥があたしにすがり付いてきた。
「もうね、ザーザー降りなのよ!!」
「あたし傘持ってないよ?!」
「え゙ぇ~?!じゃ、駅までどうすんの?!」
そんなこと知るか!
「駅まで走れば、問題ないでしょ?」
「姫央は寝てたから、そんなこと言えるんだってば!」
あたしは教室の窓に目をやった。
「………」
ここ、どこ…?
「…せ、戦場?」
「もうっ、なに言ってんの!」
窓の外は激しい風雨。
言ってしまえば嵐だ。
けど、嵐なんてもんじゃない。
まるで、雨と風の戦争のようだった。
いやいや、本当。
今沢とあたしみたいに両者とも引かない。(←例えおかしい)
激しい暴風雨で、グラウンドも半分辺りまでしか見えない。