わがまま姫♀
千果とはここ数年、全く会っていない。
昔はよく父親に着いてきていたから、よく会ってたけど。
まさかここで会うとは。
「流くん、おめでとう!」
「………」
「婚約したんでしょ?」
…あぁ、そのことだと思った。
「あれ、なんかまずかった?」
「しまった」という顔で、口を押さえる千果。
そんな千果を一度見て、俺は靴を履き替え歩き出す。
そんな俺を、慌てて追い掛けてくる千果。
「…別に、まずくねーよ」
「あ、嘘だ。ケンカでもしてるんでしょ」
おい…。
図星直球ど真ん中。(←?)
「正解だ?」
「………」
「千果様が、お悩み相談してあげようか」
「結構」
コイツ、なにも変わってねーよ。