わがまま姫♀
ホント遥ときたら、いつもこれだ。
顔は確かに可愛いんだ。
けどね、口はあたし以上に毒舌だし、彼氏はコロコロ変わるし。
そんな遥でも、あたしにとっては大切な人。
唯一の女友達だ。
「遥、やっぱやめよ…って、あ゙!」
周りをキョロキョロと見渡すと、獣は狙いを定め終わり、すでにターゲットに飛び掛かっていた。
「渡辺くん、傘持ってたりとかしない?」
「あぁ、入ってく?」
「いいのっ?」
……いつのまに。
「うん。俺とでよければ」
「全然OK♪」
あちゃ~…。
交渉成立しちゃったよ。
遥はいいよね。
男子の前(だけ)でも、素直で可愛い。
遥が羨ましいよ。
そんなことを考えていたら、遥が近寄ってきた。
「もう!遥なにしてんの?!」
「姫央も頑張ってみなよ!じゃ、あたしはお先に~♪」
「え、ちょっと…」