わがまま姫♀



…うわ。



いつにも増して冷た。



「………」



何を話せばいいんだ?



「…用無いなら帰ってよ」



いや、帰らねーよ。



ここで帰ったら、お前また1人で泣きそうじゃん。



なにがあったか知らないけどさ。



それじゃなんお解決にもならない。



「…なんで泣いてんだよ」

「泣いてない」



あんなとこ見られてよく言える。



「俺がなにした?言わなきゃ分かんねーだろ」

「…言いたくない」



はぁ?



どこまで頑固なわけ。



「言え」

「言わない」

「じゃ、なんで怒ってる」

「別に怒ってない…!」



これはマズイ。



朝と同じ展開だ。



「なんでもないから!だからもう帰って!」

「帰るわけねーだろ」

「……なんで」

「お前が泣いてるから」



どうやら姫央は、ドアの直ぐ向こう側に来ているみたいだ。



さっきよりも声が近くなったのが分かる。



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