わがまま姫♀
「わ…?!」
“ぎゅう…”
抱き締める腕に、力が入るのが分かった。
俺の腕の中にすっぽりおさまるコイツを。
思ってたよりずっとずっと小さくて。
思ってたよりずっとずっと弱々しい体を。
この腕の中に閉じ込めておけたなら。
意地張ってたのが嘘みたいに、今は驚くほど素直に、俺に体を預けてくる。
そのギャップに、俺はどうも弱いらしい。
こんな奴は初めてで。
こんなにも俺を狂わせたり。
こんなにも俺に、柄にもないことばかりさせたり。
「…お前何者だよ」
「え?」
ほんと、コイツにだけは敵わない。
俺、今までヤキモチなんか妬いたことねーよ。
妬き方すら知らなかった。(←※そんなのない)
「お仕置きは、これで勘弁してやるよ」
これで消えるなら、消してしまいたい。
「ちょっと待っ…ん…!」