わがまま姫♀
いきなり流の手が伸びてきて、あたしのオデコに触れる。
「……大丈夫だな」
流がそう言った時、
“ピリリリ…”
流の携帯の音。
起き上がり、携帯のディスプレイを見るなり、また不機嫌そうな顔になる流。
「はぁ」
ため息!?
「ちょっと電話」
「うん」
「……はい」
とおん低!
「うん…」
誰からなんだろう。
「分かってる」
あたしがポケーッと流を見つめていると、あたしをチラッと横目で見てから。
「うん、一緒」
えぇ!
あ、あたし!?
「今から行く」
そう言ってから、流は携帯を閉じた。
「だ、誰…?」
「親父」
「えぇっ?!」
「なに」
お、お父様ですか!
この時間にあたしと一緒って。
しかも流、昨日家帰ってないし。