わがまま姫♀



いきなり流の手が伸びてきて、あたしのオデコに触れる。



「……大丈夫だな」



流がそう言った時、



“ピリリリ…”



流の携帯の音。



起き上がり、携帯のディスプレイを見るなり、また不機嫌そうな顔になる流。



「はぁ」



ため息!?



「ちょっと電話」

「うん」

「……はい」



とおん低!



「うん…」



誰からなんだろう。



「分かってる」



あたしがポケーッと流を見つめていると、あたしをチラッと横目で見てから。



「うん、一緒」



えぇ!



あ、あたし!?



「今から行く」



そう言ってから、流は携帯を閉じた。



「だ、誰…?」

「親父」

「えぇっ?!」

「なに」



お、お父様ですか!



この時間にあたしと一緒って。



しかも流、昨日家帰ってないし。



< 377 / 566 >

この作品をシェア

pagetop