わがまま姫♀
「……飛んだ」
「……は?」
トンダ?
何がトンダの?
「あそこ」
今沢が指さす方に目をやる。
「あ…あ゙ぁーーー!!」
「うるさっ」
さっきからなーんか、制服冷たいなと思ったら!
こんの口悪男、
「傘!!」
を、風で飛ばしたみたいだ。
気付けばあたし達、ずぶ濡れじゃん!!
「もーなんであんな風で飛ばすの!?」
「あんな風っておまっ…風強かっただろ!」
「風強くても、しっかり握ってれば簡単には飛ばないでしょっ!!」
握力無いのか!
「飛んだもんは仕方ねーだろ!」
「なに開き直ってんのよ?!あーぁ、あの傘ゴミになっちゃうね。立派な自然破壊だよ!」