わがまま姫♀



流が小さく呟いた。



「…忘れてた」

「え」



流はあたしをやっとおろしてくれた。



あー恥ずかしかった!



顔は近いし、体は密着するし、足に流の手が回ってるしで。



勘弁してよ…。



「流さん?!どうされました!?」



誰かの声で我にかえる。



会場の皆様の視線は、1つに集まっていた。



???



“バサッ”



「っ」



あたしの肩が、驚きでビクッと跳び跳ねた。



自分の肩に目をやると、服が肩掛かっていた。



「…お前露出多いんだよ、アホ」

「…え?!」



肩にかかってるのは、流の上着。



怒られてしまった。



この会場は、暖房がきいてるから決して寒くはない。



むしろ暑いくらいだ。



「あ、あり…がと…」

「別に」



あはは。



相変わらずそっけないね。



もうだいぶ慣れたけど。



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