わがまま姫♀
流はあたしをチラリと見る。
「………」
「……?」
…え。
な、なにっ?!
でもすぐにオッサン達に向き直すと、
「はい」
と一言だけ。
両思い、か。
正直、自信はない。
「では皆さんは、引き続きパーティーを楽しんで下さい。私達はこれで失礼します」
流は会場の皆様に向かってお辞儀をする。
それにつられて、あたしも深く一礼する。
そして退場。
婚約発表終了だ。
…疲れた。
「飯どうする」
「え、今…」
今、何時だろう?
キョロキョロと辺りを見回して時計を探すあたしに、
「12時43」
「え」
流はポケットから出した携帯の画面を見て言う。
テレパシー…?