わがまま姫♀



お嬢様スマイルで笑いかけてくる千果ちゃん。



「あ、こちらこそ」



あたしがそう言うと、千果ちゃんはまた、可愛い笑顔で笑った。



可愛い子だな。



あたしもこんな風に、一度は笑ってみたい。



「じゃ、あたしは着替えて来るね」

「あぁ、外で待ってる」



あたしはその場を離れた。



……だって。



あの場所から離れたかったんだもん。



すごい親しげだし。



仲もいいみたいだし。



千果ちゃんは、あたしの知らない流を知ってる。



あたしと出会う前の流も。



千果ちゃんはすごくいい子はそうだし。



仲良くしなきゃいけないのも分かってる。



だけど…。



このモヤモヤが、どいてくれないの!



そんなことばかり頭に浮かべながら、私服に着替えて部屋の外に出た。



“ガチャッ”



重たい部屋のドアを開けると、待っていたのは、



「姫央さん、やっと見つけましたよっ」(←記者①)

「姫央さん、もう少しお話しいいですか?」(←記者②)

「姫央さん、お時間少しいいですか?」(←記者③)



3人の男達。



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