わがまま姫♀



なんで陽向は恋の話しって言ったわけ!?



あたしはベッドから飛び起きて、陽向の部屋へと走った。



「陽向っ!」

「な…!?ノックぐらいしてくれよ!」



陽向は驚いた表情で振り返った。



「陽向っ!なんで“恋愛”なのよ?!」

「は…?」



わけが分からず、不機嫌な顔をする陽向。



「さっき、あたしの恋愛には興味ないって言ったじゃん!」

「…あぁ。あれは姫央の顔が真っ赤だったから、男と何かあったのかなーって、思っただけだけど」



陽向は思い出したように言った。



「違った?俺はてっきり、好きな人でも出来たのかと思った」

「え゙…。ち、違う!」

「あそ?…まぁ、どうせ姫央も、最終的にはどっかのお坊ちゃまと結婚だろうけどー」



“モギュっ”



「…うん。だよね」



なんか…胸が痛い?



誰かに握られたみたいに、ギュうって。



親に決められた相手と結婚なんて、ずっとずっと言われ続けてきたこと。



それなのに、胸が痛いのはなぜ?



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