わがまま姫♀



告白なんてない。



──“好きだもん”──



どさくさ紛れの一度きり。



これで自信なんてあるわけがない。



質問された時もアイツは、黙り込んで不安そうな顔して俯いてた。



「はぁ…」



いっきに頭の中がグチャグチャだ。



アイツはいつも、俺をかき乱す。



いつも俺を簡単に狂わす。



どんな技使ってる。



…ムカつく。



俺はまた、家門のそばの階段に腰をおろす。



頭をくしゃくしゃしても、スッキリはしなくて。



イライラが募っていく。



アイツ、来る気あんのか?



寒い中俺を待たしておいて、「行かない」とか言い出したら、さすがの俺も怒るぞ。(←すでに怒ってる)



もし今アイツが来たら、俺は何を言ってしまうだろうか。



傷付ける…?



傷付けたくはなくて。



これ以上泣かせたくもなくて。



だから来るな。



そう思う自分とは逆に、来てくれと思う自分もいる。



矛盾だらけの俺。



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