わがまま姫♀
俺はため息を一つついて、立ち上がる。
「帰るぞ」
「……え」
お尻についた砂をパンパンと払いながら、海に背を向けて歩き出す。
はぁ…。
なんか、一気にどーでもよくなってきた。
胸に頭を預けて、泣いてたくせに。
俺に言えない話しで、なにを悲しむことがあるんだよ。
なにを隠してる?
でも、俺には聞けない。
「流っ!!」
大きな声で叫ぶ姫央。
その声に足を止め、俺はゆっくりと振り返る。
「…流だって」
俺に背を向けて話す姫央。
波と風の音で、かなり聞き取りにくい。
「流だって…千果ちゃんと仲いいじゃん…!」
???