わがまま姫♀
「……んんぅっ…」
今年最後の夜と。
「カウントダウン始めまーす!」
今年最後の空気と。
「5!」
今年最後の空と。
「4!」
今年最後の月と。
「3!」
今年最後の温もりと。
「2!」
今年最後のあたしと。
「1!」
今年最後の、流。
「ハッピーニューイヤー!」
パチパチと拍手がおこり、少し遠くで人々が騒ぐ声が聞こえる。
……あの。
そろそろ苦しいんですけど。
「…なが…んぅ…っ!」
必死に、流の胸板をトントン叩く。
それに気づいた流は、ようやく唇を離してくれた。
「……っ…」
覆われてた目も、いつの間にか手がなくなっていた。