わがまま姫♀
やっと喋ったかと思うと、いっこうに目を合わせようとしない2人。
「仕事の用事?」
あたしが尋ねる。
「まぁ、うん。その、仕事の関係だよ」
「ちょっとした挨拶よ」
目、泳いでるよ?
とは思ったものの、口には出さず「あっそ」とだけ言って、リビングを出た。
なーんか、怪しいよね。
社長さんとその息子?
社長さんが来るのは、まだ分かるんだけどさ。
息子とかって来るもんなの?
あたし、財閥の仕事については、全然分かんないからなぁ。
だからあたしには、仕事できんだと思う他無かった。
あの声、話し方。
あたし、どこかで聞いた…?
ま、いっか。
いや、いいのか?
そんなことを繰り返しているうちに、
「ふぁぁあ~…」
と、あくびがひとつ。
考えてもどうせ分かんないし、こーいう時は、寝るのが一番だよね。
と、言うことで。
あたしは早くに寝ることにした。