わがまま姫♀



「!?」

「あたし…」



強がりの性格は、こういう時のためにあるんだと思う。



「…待つよ」



1年でも2年でも3年でも。



流は体の向きを変えて、あたしを正面から抱き留める。



あたしは流の服を、再びギュッと握りしめた。



“ギュウ…”



「…泣けよ。我慢すんな」

「平気…だもん」



本当は、目には今にも溢れ出しそうなほど涙がたまってる。



「嘘つけ」

「嘘、じゃない…っ」



本当は大嘘ついてるよ。



我慢してるし、涙はもう溢れでてるし。



待つと言っておきながら、自信なんて欠片もない。



「1週間、か…」



流は、抱き締めてる腕の力を強くした。



「…仕方ないか」

「うん」



そうだ。



これは仕方ないんだ。



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