わがまま姫♀



………が。



あたしの努力も虚しく、



「桃井ー、…は今日こそ遅刻かぁ?」



“ガラッ”



「ハァ、ハァ…!いるっ!遅刻じゃないっ!」



みんながあたしを、驚いた顔して見てる。



「確かに、出席には間に合ったみたいだが」



ゼーハー…っ!!



な、なによ?!



“出席には”って!



「しかしだな、お前はチャイムには間に合ってない」



ニヤリと笑う田中を、これほど憎いと思ったのは初めてかもしれない(殺)



「はぁ…分かった。遅刻でいいです」

「そりゃそうだよねぇ?」



席に着こうとしたあたしの足が、ピタリと止まる。



「だってさ、桃井さんは成績悪くても、お金があるからどうにでもなるじゃない?」

「あはは、そーだよね」

「確かにね~」

「なら、遅刻し放題じゃない?よかったね、桃井さん」



なんだ、こいつら。



あたしは、学校の奴らにお嬢様扱いされんのが、イッチバン腹が立つ。



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