わがまま姫♀
ばか…?
「なによりも、誰よりも、大切にしていたのに、こんな顔させてしまっている」
津戸の横顔を見つめてると、津戸もあたしの方へ首を動かした。
「…なによ、それ」
「あの獣が、どれほど姫央さんを大切にしていたかなんて、見てれば分かりますよ」
少し笑った津戸は、なんだかちょっぴりいい奴に見えた。(←悪い奴ではない)
「大切…?」
「はい」
あたしが大切にされてた?
あの流に?
そんなの全然実感なかった。
そんな会話をしている時でさえも、コンテストは進行していく。
「さて続いて、今年のラストになりまーす!」
もうラストらしいし。
というか、エントリーが2人だけだったみたいだ。
あたしは、無関係ってやつだからね。