わがまま姫♀



え、えぇ?!



あたしぃ?!



「姫央ちゃーん、ステージに出てきて下さーい!」



は、ちょ、なに!?



やだよあたし、ステージなんて!



あきらかにあたしの方を見ながら、叫んでる直人くん。



なんであんな怪しい人が、あたしに告白すんの?!



どんな変態物好きだよ?!



「姫央さん、もう待つ必要なくなったみたいですよ」

「は!?あたしOKしないよ!」



待つ必要なくなった?



冗談でしょ!



そんな選択肢なんて、あたしにはない。



「いいえ。きっと、断れない」

「い、意味分かんないっ」

「すぐに分かりますから、早く行って下さい」



意味深な笑みを浮かべながら、津戸はあたしの背中を押した。



「姫央ちゃーん、早く前出てきてよ!」



で…出たくない!



けど、直人くんがこっちに向かって叫んでるもんだから、みんなの視線が痛いような…?



これって、出るしかない空気でしょ?



あたしはため息を1つついて、全校生徒の視線を浴びながら、ステージへと出ていった。



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