わがまま姫♀



「キース!キース!キース!」



嵐は止むどころか、激しさを増すばかり。



「ほら目、閉じろよ」

「ほっ、本当にやるの!?」



全校生徒の前でって、ちょっと…いやかなり抵抗あり。



「やるから閉じろっつってんだよ」

「えぇ?!ちょ、ちょっとっ…」

「アホ。シラケるだろうが」

「ま、待って、心の準備が…!」



ひ、久々だし!!



「無理。俺がどんだけ、お預けくらってると思ってる」



“グイッ”



二の腕を掴まれたのと、視界が真っ暗になったのと、唇に柔らかいものが当たったのは、ほぼ同時だった。



「!?」



なに!?



何でなにも見えないの!?



「キャーーッ!」

「おぉーーッ!」



会場から聞こえてくる声は様々だ。



「1年と1ヶ月ぶりの再会!親公認ラブラブカップル、今ここに復活!!」



直人くんが興奮気味にマイクで叫ぶ。



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