わがまま姫♀
い、イヤーーー!!!
姫央様、人生最大絶体絶命の大ピンチ到来っ!!
こうしている間にも、足音は大きさを増す。
……これは、もうダメ?
「桃井、いるんなら返事しろ~」
するわけないっつーの!
目をギュッと、かたくつぶった。
し、心臓が口から飛び出し…
“ぐぃっ”
「っ?!」
背後から腕を強く引っ張られ、あたしは目を開けた。
けど、そこは目を開けても真っ暗で。
「あれ、目開いてるのになんで真っ暗?!」
[あほ、静かにしろ]
………。
この声には、かーなり聞き覚えがある。
昨日の夜、リビングで聞いた声…。
いや、それは違うよ。
だって今の声の主は、
「い、今ざ…んぐっ!」
開いた口を、手で押さえられた。