わがまま姫♀
約束でしょ?
約束は、破ると嘘つきになるんだから。
あたし、嘘つきなんてダイキライだよ?
こーんな可愛くないあたしを、もらってくれるんでしょ?
だけどスキきだから。
ダイスキだから、困らせる。
ダイスキだから、わがままになる。
「……ダイスキ、バカ野郎」
こんな可愛くないあたしだけど、それでもいいの?
「お前、可愛いことばっか言ってると、ここで襲うぞ」
「んなっ…(恥)!?」
ますます赤くなるあたしを見て、流はクスッと笑った。
「…俺は、大好きじゃねーよ」
そう言うと、流はドンドンあたしに近づいてくる。
一歩手前まで近づいたところで足を止め、流はあたしの頭に手を回す。
“クイッ”
頭だけが引き寄せられ、体が前のめりになる。
そして、流の口があたしの耳に近づいた時。
「俺はお前を――…」
夕焼け色した頬が、さらに紅く染まっていく。