わがまま姫♀
そして、また冷たい言葉が頭上から降ってきた。
[アホか、声でけーんだよ]
「……っ!」
口を押さえる手は大きくて、あたしの鼻まで隠れていた。
男の子だなぁ。
なんて考えてる余裕すらなかった。
「……ん゙ぅ…!」
ぐ…ぐるじい…!
口も鼻も押さえられて、あたしはいったいどこで呼吸すればいいんだよ!
「……ぅんん゙…!」
[あ?次はなんだよ]
あたしは涙目になりながら、今沢の手を必死に叩いた。
すると今沢は、
[…あぁ、悪い]
と素っ気なく言うと、ようやく手を離した。
「……ハァ…」
く、苦しかった…。
殺す気かっつーの!
……あ!
そう言えばあたし、肝心なこと忘れてた。