わがまま姫♀
“ギュウ……”
……さて問題です。
Q:どうしてあたしは今、何者かとこんなにも密着しているんだろう?
A:なぜかは不明。
だけど、あたしと密着できる奴なんて1人しかいない。
もともと密着してたのに、今沢はさらにあたしの体を自分の方へ寄せる。
「あ、あの…?」
…ドクン…ドクン…
[怖いんなら、少し黙っとけ]
…ドクン…ドクン…
そんなこと言われても、心臓が今にも爆発しそうだよ。
今沢は、あたしの体の震えを抑えるかのように、強く抱き締めた。
それがなんだか心地よくって。
爆発寸前の心臓だけど、なぜか落ち着いて。
安心できて。
暗くても、少し大丈夫かもとか思えてきたりして。
今沢って、こんな奴だったのかな?
なんて考えてるあたし。
…ドクン…ドクン…
私の心臓は、速さを増していく。