わがまま姫♀
遥は満面の笑みで、大きく頷いた。
「だだだ、誰に!」
返ってくる答えは、なんとなく分かってた。
だけど一応、聞いてみたんだ。
「今沢くんしかいないじゃなーい!」
ほらやっぱり…。
「姫央見てればすぐ分かるよ~!真っ赤っかになっちゃって、可愛いんだから」
「えぇっ!?」
このあたしが…
アイツを?
スキ?!
あんな、口悪くて意地悪で嫌味ったらしで、おまけに性格も悪くて。
でもなぜか、たまに優しい奴のことなんか。
……スキじゃない。
よねぇ?
「姫央。アンタ今、必死に好きじゃないと思い込もうとしてるけどさ」
“ドキッ”
遥の言葉に、心臓が大きく音を立てて飛び跳ねた。
それは図星だから?
「顔に好きって、かいてあるよ?」
………。