わがまま姫♀
「…で、誰なの?」
「言っていい?」
言っちゃダメな人?
膝においた手に力が入るのを感じながら、一応頷くあたし。
「……牧原さんっ!」
「ま、まままっ!?」
嘘でしょ?!
これまた遥が、とんでもないことを言い出しちゃったよ。
「でねっ、姫央!」
だって牧原って、あの牧原でしょ!?
「いろいろ協力宜しくね!」
「……はあ…」
なにがどうなって遥が牧原!?
「ねぇ、歳いくつなの?」
興味津々の顔で聞いてくる遥。
「は、遥、よーく考えて?あの牧原だよ?!分かってる!?」
「分かってるよ!あの牧原さんだから、だもん」
頬をピンク色に染めて、そんなことを言っちゃう遥。
遥のそんな顔、初めて見たよ。
どうやら遥は、桃井家の執事牧原に、ホントに本気の恋をしてしまったらしい。