わがまま姫♀
「まぁ、結婚は相手が18にならなきゃできないが、とりあえず婚約だけだ」
「……婚約…」
頭の中が真っ白…いや、真っ黒だ。
そりゃ、覚悟はしてたつもりだけど。
こうも急に言われると、どうしていいのか分からない。
だってあたし、ついさっき自分の気持ちに気付いたばっかりなんだよ?
もう終わり?
いくらなんでもひどいんじゃないの?
「やだぁ…」
「姫央…」
わがままな口が勝手に動き出す。
「……だって、まだ高校生じゃん」
「姫央、聞いて?」
今まで黙っていたお母さんが、ようやく口を開く。
「手を組もうって言ってきてるのは向こうだから、断ろうと思えば断れるの」
お母さんは、たんたんと話しを続ける。
「でもね、一度は会いなさい」
「…え」