もう少しだけ、あなたのそばに
そんなことを考えながら、今日も授業をこなして、家に帰る。
いつもと同じ日常。
今日、いつものと違うのは、エントランスの前に一人の女性がいること。
このマンションは、エントランスにコンシェルジュがいるくらいだから、中に入るのにも、鍵が必要。
住人以外の人なら、中にいる住人に鍵を開けてもらわなくては、中にはいることは、出来ない。
私がエントランスで、コンシェルジュの安西さんに挨拶して、エントランス入口にあるボックスの前で鍵を開けようとすると、
「あの、もしかして、花憐さん?」
エントランスの前にいた女の人が私に声をかけた。
「はい。・・そうですけど。」
「ああ、そう。あなたが・・・・・・」
彼女は、なめ回すように私を上から下までジロジロと視線を向ける。