もう少しだけ、あなたのそばに
男の子たちは、すばやく、店員に訳を話して、隣の席に移ってくれた。
それから、少しすると、かなりご立腹モードの秋が店に入ってきた。
「こんばんは。新城先輩。」
「こんばんは。河合さん。花憐が世話になったね。」
「いえ、先輩。今日は 私が無理やり花憐を連れまわしたんです。花憐を叱らないくださいね。」
「梨乃。」
私は、梨乃にこれ以上は言うなとけん制する。
「そうか。河合さん、ここは、俺が支払うから。」
「え、ああ、もう、支払いは済ませてありますから。ありがとうございます。」
「そうか、じゃあ、これでタクシーで帰って。」
梨乃の前に一万円を差出す。
「いえいえ、まだ、電車もありますから、気にしないでください。」
「遠慮しないで受け取って。花憐はこのまま、連れて帰るから。いつも、花憐と仲良くしてくれてありがとうね。」
梨乃に笑顔を見せると、
「さあ、花憐。帰ろうか。」
「はい。・・梨乃。ごめん。また、明日ね。」「
「うん。明日、学校でね。」
「ああ、河合さん、明日、花憐は、休ませるから。」
「「へ?」」
私と梨乃の声が重なる。