もう少しだけ、あなたのそばに
「うん。明日は、花憐、用事あって、大学 休ませるから。」
ああ、これは、そうとう秋は怒っています。
「え~と、花憐?」
梨乃が不安そうに私を見つめる。
「うん。そうみたい。また、連絡するから。」
秋に肩を抱かれながら店を出ると、店の前には、見慣れた秋の車が停めてあった。
助手席に乗せられて、家に着くまでの間、車内は静まり返っていた。
私も秋も口を開くことはなく、ただ、沈黙が続いていた。