もう少しだけ、あなたのそばに
「でも、これから会社です。」
「関係ない。
花憐はいつものままでいい。
仕事も俺の部屋でしてもらうし、何も気を使うことはないから。
呼び方もそのままで。」
「え!そのままって・・・秋?」
「ああ。それでいい。」
「で、でも・・・・」
私の意見は聞いてくれそうもない雰囲気。
私の腰に回っていた手が、今度は肩にまわされて、私を抱き寄せる。
もう何を言っても無駄のようにだし、あまり、しゃべらなければ呼び方なんていいかもと思い、秋に身を任せるように頭を秋の胸の辺りに置いた。
すると、私の頭上に軽くキスをして、
「それでいい。」
機嫌の良さそうな秋の声に、家以外で秋と居られることが嬉しくて顔がニヤニヤしてしまう。
そんな甘い雰囲気の車内は居心地が良かった。
・・・・・・・・・・・・だけど。